人材づくり 教育費一家族から脱し、公的支援の拡充を!! 「少子高齢化が急激に進む日本は、優秀な人材が家庭の貧富に係わらず大学に進学できる社会システムを創り上げる必要がある。今の日本のように、家族が教育費を負担するのが当り前という「家族主義」のままでは、稼ぎ手の親が倒れると大学進学は極端に難しくなる。「家族主義」を変え、家庭環境の激変があっても、子供が自分の可能性を最大限に伸ばせる社会、教育を家族だけに任せない社会を構想する。」と「教育を家族だけに任せない―大学進学保障を保育の無償化から」の著者大岡頼充先生が「あとがき」に書かれています。 2月27日の日経新聞の「強いまち・データは語る」で成田市が「子育てをしやすいまち」の全国の上位に入ったのは、国際空港に近い土地柄を生かしての英語教育や国家戦略特区での医学部新設の提案等、教育都市として進化を目指している、との記事が載っていました。私は成田が目指すべき教育都市の指針に「教育を家族だけに任せない」を是非加え、公が支える社会づくりの先駆けになるよう努力していきます。 日本は、奨学金制度など教育への公的支援が他の先進諸国と比べて不十分であるといわれています。右表は政府の歳出に対する公的教育費の割合をランキング(一部抜粋)にしたものです。 教育支出の公費割合は最低水準!! 海外留学は先生の必須科目 ロシアによるウクライナ侵略が始まってから、2月24日で1年となりました。ロシアの暴挙が、文明が進んだはずの21世紀の世界でも、明白な侵略戦争が起きる事実を示しているのにかかわらず日本では「祖国を守る」をどこか別の世界のように捉えられている感じがしています。 戦後の日本では、外国の侵略からどう国を守るかという真剣な問いかけは忌避されてきたのが実情です。しかし、国際秩序が揺らぐ中で、ウクライナが直面している過酷な現実を、私たち自身が自分に引きつけて考えることが大切です。そのためには、先ずは教育現場をあずかる先生方の「見方・考え方」はますます重要になってきていると考えています。20数年しか経っていない21世紀ですが、歴史の分水嶺に立つ今日、日本をしっかりと見据え「世界地図の中で考える」ためにも、海外留学は先生の必須科目です。私の体験から、「多様なものの見方・考え方」を綴ってみました。 日本・メキシコ政府交換留学生(1972年~73年)の研修終了時、大統領官邸にて 当時のエチェベリア大統領と(1973年) 1492年と言えば? 『1492年コロンブス新大陸発見』 私が中学校で学んだ世界史の一項目です。1972年から約1年間政府交換留学生としてメキシコで学んだ私にとって「1492年」のアメリカ大陸は、ヨーロッパ人のコロンブスにとっては、新大陸であり発見した年であります。 しかし、マヤ・アステカ文明を築いてきたネイティブアメリカンにとっての「1492年」は、その後自分たちの土地を追われ滅ぼされていった出発の年と捉える事もできます。東洋の日本人である私にとっての「1492年」は、ヨーロッパ人のコロンブスとネイティブアメリカンの出会った年との見方も学びました。 地球時代の物差しとは? ここに3本の物差しがあります。①「東京」―「大阪」556キロ。②「モンテレー」―「サン・ルイス・ポトシ」535キロ。③「アムステルダム」―「パリ」547キロ。①は我々にとっては馴染み深いものです。その間には山あり河あり都市があります。②のモンテレーは私が約1年間の留学生活を送ったメキシコ第3の都市。南へ1000キロドライブをするとメキシコ市、その中間点にサン・ルイス・ポトシがあります。この間約500キロ、ガソリンスタンドが3ヶ所あるだけの一本道です。③の「物差し」はオランダ、ベルギー、フランスと3ヶ国をまたがって走っている国際列車が舞台。島国育ちの私は「国」とは巨大で、そこから出るのはなかなか容易なものではないような感じを持っていましたが、この500キロは何の抵抗もなくスイスイと3ヶ国をまたいでいます。これらの「物差し」の相違はそれらを使用している人々の生活、文化等の違いを物語っているようでもありますし、人々の多様性、物事の固定観念の怖さを感じさせてくれるようです。ひとつのものを、上から見たり、下から見たり…そんな多面的な人づくりがますます重要になってくるのです。 これまでの政策レポートでも人材について取り上げてきました これまで様々な対談をさせていただき、知見を深めてまいりました。 Previous slide Next slide 多様な「ものの見方・考え方」 が出来る人材づくり 教師力の向上 教師の待遇改善と教師力の向上(海外留学は教師の必須科目) インター誘致の推進 インターナショナルスクール誘致の推進 在日外国人との共生 在住外国人と共生するための人材育成 教育費の拡充 教育費に占める公的支援の拡充