うつのみや高明の本棚
- 本棚22
一に国語、二に国語、三、四がなくて五に算数、あとは十以下
一に国語、二に国語、三、四がなくて五に算数、あとは十以下
著名な数学者である、藤原正彦先生の著書「祖国とは国語」の中で、小学校における教科間の重要度について、書かれている事です。また、不況が何十年続こうと国は滅びないが、国語の力の低下が国を滅ぼすのである、とも指摘されております。
今後、社会は今以上に複雑なものになり、自らの力で問いを立て解決していくことが、 より求められるようになると思います。 それができる大人になるためには、子ども時代に英語やプログラミングに躍起になるのではなく、日本語でたくさんの語彙を身につけ、言葉によって感じ、悩み、表現する力を鍛えていかなければなりません。
- 本棚21
百萬経典・日下之燈
百萬経典・日下之燈
百万本のお経を読むほど膨大な知識を頭に詰め込んでも、実践しなければ、太陽の下のロウソクの灯と同じで全く役に立たない」。鎌倉円覚寺の初代管長をお務めになった今北洪川ご老師のお言葉です。
多様な情報・知識に、瞬時にアクセスできる 令和の今日、時代の変化にあわせて「生き方」の見直しが求められていますが、前例や旧慣にこだわり、現状維持に流されているように感じます。
決して「大それたこと」をすることではありませんが、目の前の小さな実践をコツコツと積み重ねていくことで「生き方」が変わっていくのだと思います。
- 本棚20
十年樹木・百年樹人
十年樹木・百年樹人
樹木を育てるには十年、人を育てるには百年(長い年月)がかかるという諺です。
コロナ禍にあって、デジタル化の遅れや生産性の低迷など、日本の課題の多くが人材投資の遅れに起因すると指摘されています。
最近の日本には、今後の衰退を示唆する指標を多く目にしますが、これらを変革すべき国政において、小選挙区制度が導入されて以来、国会議員と地方議員の違いが見出しづらくなったように思います。
分水嶺に立つ日本「ゆでガエル現象」にならないためにも、「百年樹人」に真剣に取り組むべきときです。
- 本棚19
苦難にまさる教師なし
苦難にまさる教師なし
ノーベル賞を受賞された大村智先生は、新型 コロナウイルスは、メディアが恐怖を煽っているように思います。
「危険だ、危険だ」と騒ぎたてるよりも、「油断をしない」「恐れない」としっかりと浸透させるべきだと思います。
昔から「ピンチはチャンス」と言いますけど、こういう苦難の中にあっては大きなプラスの芽が必ずあるし、それが次の発展に繋がると私は思っています。と月刊誌致知の中で語られています。
1ミクロンにも満たないウイルスが世界を根底から変えようとしています。
収束後は、元に戻るのではなく新しい秩序がうまれてくるような感じがします。
「Build it back better(再建するのなら、前より よいものを): クオモ米国ニューヨーク州知事」。
- 本棚18
自反尽己(じはんじんこ)
自反尽己(じはんじんこ)
著名な数学者である、藤原
「自反とは指を相手に向けるのではなく自分に向ける。すべてを自分の責任と捉え、自分の全力を尽くすことである。大きな成功を遂げた人は、失敗を人のせいにするのではなく、自分のせいにするという傾向が強い。」(心に残る致知の言葉)
ノーベル賞を受賞された山中伸弥教授は、「うまくいった時はおかげさま。うまくいかなかった時は身から出た錆」を信条にされてこられたとのことです。
とかく他人の所為にする世相を感じる今日、自反尽己を心の指針としてもちづづけたいものです・・・。
- 本棚17
この大地は祖先から譲りうけたのではなく、子孫から借り受けているものである
この大地は祖先から譲りうけたのではなく、子孫から借り受けているものである(ネイティブアメリカンのおしえ)
この「おしえ」は、政府交換留学生時のメキシコで学び、日本人として共感を覚えました、しかし、平成後の日本を思う時、水道事業の民営化や短兵急な外国人労働者問題等々、「子孫から借り受けている」が忘れかけているようにうつります。経済が、国家の枠をはみ出して地球上を闊歩している今日ですが、そろそろ自分たちの住む社会に責任をもって関わる市民であることに目覚めようではありませんか。「美しい日本を子供たちに」。一人ひとりが、政治を自分のこととして関わる時です。
- 本棚16
徳の貯蓄 -修養:新渡戸稲造著-
徳の貯蓄 -修養:新渡戸稲造著-
30数年のユネスコ運動の中で、新渡戸稲造の教えに接することができました。新渡戸は明治44(1911)年に『修養』という本を出しています。その第8章「貯蓄」の項で「徳の貯蓄」が大切であると書かれています。「徳の貯蓄はいかなる人、いかなる位置においても、行わんとする意志があれば、必ずできる」「徳の貯蓄だけはいつからでもできる。僕は常に思う、一番大切なことは何人にもできることである。しかして徳を積むことはすなわちそれである」地球上をポピュリズムが闊歩している今日、百年読み継がれている不朽の名著から、平成後の日本人のあるべき姿を学びたいものです。
- 本棚15
成田の地に、空港決定から半世紀‼
成田の地に、空港決定から半世紀‼
1966年7月に現在の成田国際空港の建設地が、成田に決定されてから今年で半世紀になります。戦後日本の民主主義のあり方を問い、四半世紀を超えて闘われてきた三里塚闘争の対立構造解消の到達点が「地球的課題の実験村」構想でありました。
実験村構想の中で「現代社会の本質は、工業化社会という外面だけではなく、現代人の無意識の精神構造の中にあり一朝一夕に解決できるものではなく、啓蒙や教育を通して人間が自らの自由を律し、現代社会のあり方を変えていくべきものである」と論じられています。
成田が日本の国際基幹空港であり続けることはもとより、地球的課題の実験村づくりを成田から発信しつづけることは、空港50年の歴史の使命であると考えています。
- 本棚14
1492年、コロンブス新大陸発見の見方・考え方‼
人生は心一つの置きどころ
1972年から約1年間、日本・メキシコ政府交換留学生としてメキシコで過ごした私は、自分の学んだ世界史に少し違和感を感じました。
欧州人のコロンブスにとって、1492年の米大陸は新大陸発見ですが、米大陸の先住民族の1492年は、その後の滅亡にむかう第一歩の年であり、私(日本人)の1492年は、欧州人と米大陸の先住民族の出会いの年という見方も学びました。
英国のEU離脱、米大統領選挙等「2016年は世界の分水嶺」と感じています。そろそろ極東の天然の箱庭生活だけでは、もたなくなってきています。海図なき航海に臨む日本にとって「多様なものの見方・考え方」を学ぶことがますます重要になってきています。
- 本棚13
美しい地球を子供たちに!
成田の地に、空港決定から半世紀‼
地球の全陸地の25%にも及び、ほ乳類の4分の1に絶滅の恐れもあるとの事です。このままでは、人類滅亡の可能性も芽生えかねません。
そこで、環境と調和した21世紀づくりのために、地球的課題の実験村(成田空港問題円卓会議)運動を着実に続けていきます。子孫から借り受けている地球に思いをこめて…。
・まず事実を知る
・自分のできることから始める
・周りに伝え、仲間を増やす
「足るを知る」日本人の自然観が役立つ世紀にしたいものです。
- 本棚12
人生は心一つの置きどころ
人生は心一つの置きどころ
「人生は心一つの置きどころ」。この考えを提唱されたのは「天風哲学」の開祖である中村天風の言葉であります。
天風は「思考が人生を創り、感情が運命を左右する。だからこそ思考を積極化することが人生を創り変えることに通じ、感情を統御することが自らの運命を自らの手で拓ことになる」と説いています。
最近は大変「世知辛い」世の中です。だからこそ、天風哲学を胸に、自信を持って世界を歩こうではありませんか…。
- 本棚11
地球に生かされている!!
成田の地に、空港決定から半世紀‼
■世界人口の推移
紀元元年 2.5億人 →(1700年)→ 1700年 6億人 →(150年)→ 1850年 12.5億人 →(100年)→ 1950年 25億人 →(37年)→ 1987年 50億人 →(15年)→ 2002年 62億人
人類の長い歴史を見ても、この50年間はまさに異常な人口爆発を示しており、地球の力が、いよいよ人間の力を支えきれなくなってきているようです。
これまでの所有を中心とした考えでは、どうも駄目らしい。「所有」のアンチテーゼは「借りる」です。
21世紀は国連標語の「IN OUR HANDS(運命は私たちの手の中)」のとおり、私たち一人ひとりの考え方を、地球から材料を借りて生きるという新しい生き方に…。
(H.14)
- 本棚10
一隅を照らす!!
一隅を照らす!!
伝教大師最長の教えである「一隅を照らす」の「一隅」とは「自分がいま居るところ」ということであり、「照らす」とは「役に立つ」という意味との事です。
「自分一人が動いてもどうしようもない」という人がいます。しかし、一人ひとりが重要で、一人ひとりが変化を起こす力を持っているのです。自分に出来ることは何かを考え、小さくとも行動を起こせば周囲が変わり、周囲が変われば地方が、国が変わると私は思っています。
私のうけもつ「一隅」は小さなものであってもいつもほのかに照らしていきたいものです。
- 本棚9
中道を行く!!
中道を行く!!
生きとし生けるとものに等しく与えられた「いのち」に対しての畏敬の念が、日本人から失われつつあることが気にかかるところです。また、最近の世相はグローバル・スタンダードが闊歩し、長年にわたって地方で育まれてきた伝統文化を力づくで変えようとする荒々しさも目につきます。
「一と多と 箇と全体と 自由と献身と 祖国と世界と 別物ではない 不二の妙道しばらく名づけて中道を行くという(山田無文老子)」日本人の智の財産である「中道」を大切にしたいものです。
- 本棚8
満は損を招き…
満は損を招き…
「謙は益を受く」-常に謙虚に「相手に良かれかし」と考えているものは、幸運を勝ち取る。
これは世の通りであり、21世紀の今日も決して変わることはないはずです。しかし、最近の世相は、この謙虚さを忘れ、自分だけよければいいという利己的な風潮を強く感じています。盛和塾の稲盛塾長はこのような日本の再生は「欲張るな」「騙してはいけない」「嘘を言うな」「正直であれ」というような、基本的な教えの意味を改めて考え直し守り通すことが、復活できる道であると語られています。塾生の一人として、心の手入れを怠らず、謙虚に歩み続けねば…。
- 本棚7
子曰く
子曰く
子曰く 吾十五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知る、六十にして耳順う、七十にして心の欲する所に従いて矩を喩えず
昭和21年12月26日生、5回目の干支を迎えました。ふる里で15年・宇和島で3年・東京で11年・メキシコで1年・成田は30年目になりました。
最近の風潮を思うとき「高いつもりで低いのが教養」「厚いつもりで薄いのが人情」「多いつもりで少ないのが分別」世知辛い世の中に流れている感じがしています。「六十にして耳順う」を迎え「つもり違い」にならないよう、すこしでも孔子の教えを学んでいきたいものです。
- 本棚6
食足りて礼節を知る
食足りて礼節を知る
ここ10年、ささやかに米作りをしています。
昨年は約5俵取れましたので、我が家の米自給率は170%です。平成18年度の日本の穀物自給率は27%まで低下してきています。他国が自国の自給率向上に努力している今日、日本の現状はたいへん心配です。「食べられる庭」づくりは、21世紀のトレンドです。
約半世紀で人口が40億人も増加した地球は、もはや無限なものではなくなりつつあります。21世紀の生き方、歩き方を同郷(愛媛県)の偉人「わら一本の革命」の福岡正信氏から学びたいものです。
- 本棚5
ゆく河の流れは絶えずして
子曰く
「和魂洋才」日本固有の精神を持って、西洋の学問・知識を学び取ること(広辞苑)
日本が近代化に成功したのは、西洋から入ってきた個人主義と、日本社会固有の集団主義を調和させてきたことだと教えられました。しかし、現代の日本は「和魂」の面を忘れてしまった感がします。
今日の世界的金融危機を受けて、西洋文明の揺らぎを感じています。日本人として、この不安定な現代社会にあって、和魂の源である自然への畏敬の念や自然の驚異に対する無常感等々への再認識を…。
- 本棚4
食足りて礼節を知る
食足りて礼節を知る
ここ10年、ささやかに米作りをしています。
昨年は約5俵取れましたので、我が家の米自給率は170%です。平成18年度の日本の穀物自給率は27%まで低下してきています。他国が自国の自給率向上に努力している今日、日本の現状はたいへん心配です。「食べられる庭」づくりは、21世紀のトレンドです。
約半世紀で人口が40億人も増加した地球は、もはや無限なものではなくなりつつあります。21世紀の生き方、歩き方を同郷(愛媛県)の偉人「わら一本の革命」の福岡正信氏から学びたいものです。
- 本棚3
“全体”の中で生きる“個”
“全体”の中で生きる“個”
戦後の日本は、「個」が大きく叫ばれ、全体(歴史・伝統・民族・国家等)の中で生きる個が疎まれてきました。
お城の石垣を思い浮かべてみてください。大きな石、小さな石、丸い石、四角い石や細長い石など千差万別です。それぞれがお互いにかみあって、全体として地震にも強く、美しい石垣となっています。
私たちは部分だけを見るのではなく「全体」という視点にたって「個」を生かし、「全体」を作り上げていくことが大切だと思います。
- 本棚2
北風は太陽に負けない!
北風は太陽に負けない!
物語「北風と太陽」をご存知ですか。「北風は太陽に負けない!」は、20数年ご指導を頂いた故宮川俊彦先生(国語作文教育研究所所長)から贈られた本の題名です。
「もし、北風が自分の能力に対して的確に分析し、目的に対して理解したうえで方策を考えていたら、勝つことは可能だった。人はどのような場合に服を脱ぐのか考えてみよう。“風呂に入るとき”。そこで旅人をとても寒がらせておき、風で旅人の背中を押して温泉の前に運ぶ。」先生は本の中でこのように書かれています。そうして「成功や失敗を分析し、結果を戦略的に活かす方法を知る」、「前提や常識を疑い続けることで真の優秀さが生まれる」、「極論を考えることで、一般論を浮かびあがらせる」、「正解を導く公式を応用することは「考える」ことではない」等々志向の方法を述べられて、「思考力」とは自分が生きる道を開拓していくための技術であると語られています。
戦後70年、私たちも日本の特質を分析し、思考力をつけ、地球の歩き方を考えなければ・・・。
- 本棚1
信頼の貯蓄
信頼の貯蓄
『信頼の貯蓄』。この言葉は、映画「ホテル・ルワンダ」(2004年制作)の主人公である高級ホテル、ミル・コリンの支配人ポールの言葉です。
1994年にはじまったアフリカ、ルワンダの民族紛争の中にあって、支配人が多くの人命を救えたのは、相手方の将軍との「信頼の貯蓄」があったからだと、ポール支配人本人が訪日された時のインタビューで答えられてました。
信頼でもお金でも、無くなるのは一瞬ですが、貯めるのは長年の努力が必要です。バーチャルな世界がますます広がりつつある今日、家族から民族まで「信頼の貯蓄」づくりのために着実な歩みを・・・。